2009年11月16日

ヘルニア患う猿

タイから

 タイ中部のロッブリに出掛けた。ロッブリ最大の遺跡であるワット・プラ・シーラタナ・マハタートは、駅のすぐ目の前にある。高々とそびえるクメール風祠堂を中心に、回廊跡や拝殿などが一部残っている。赤茶けたレンガ群は、セピア色の古い写真にも似て歴史の感傷に浸る。この地はかつてモン族が支配した古い歴史を持つ。

★ 続きを読む前に、ご協力お願いします! ⇒ 人気blogランキングへ


 だが、そうしたロマンチズムを蹴散らすように、後ろから軍靴の音が鳴り響いた。黒のブーツに迷彩色のズボン、それにグリーンのTシャツを着込んだ軍人の隊列が通り過ぎたのだ。ロッブリには陸軍特殊部隊の基地があり、タイでクーデターが起きる際には、万全を期すカードとして同部隊は使われた経緯がある。

 さてロッブリには、軍人のほかに跳梁跋扈する輩が存在する。

 猿だ。

 バンコクには野良犬が多く、デリーには野良牛が目立つが、ここロッブリには野良猿が多い。いにしえにはモン族がいたから、現代にはモンキーがいるというわけでは決してない。

 バナナやパンなど餌が庭に撒かれた猿寺が有名だが、この周辺だけでも約2000匹を超える野良猿が街を闊歩している。

 人様から餌の大半を与えられているとはいえ、人様を尊敬する気はさらさらない。悪戯好きの猿どもは、屋根のアンテナに上ってはこれを揺らして、テレビ視聴を妨げた。あまりにこの悪戯が度を過ぎたので、各家々では正倉院のネズミ返しのような金属製の皿を取り付けて猿返しとしている。

 なおロッブリの野良猿のうち、1000匹以上の猿がヘルニアを患っていることがこのほど判明した。都市生活では、不自然なジャンプや走りが強要され、ヘルニアなどを発症しやすいとされる。これは人間に警告を発する猿の文明病かもしれない。

(T)

★ これは面白い、と思った方はクリックを!! ⇒ 人気blogランキングへ


sekai_no_1 at 11:59│Comments(0)TrackBack(0)アジア 

トラックバックURL

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

電子ブック
シベリア鉄道見聞録 ウラジオストクからモスクワまで、「ロシア号」6泊7日同乗ルポ! ほか電子ブック多数!
メルマガ

このブログは、メルマガ「ワールド・ニューズ・メール」と連携しています!


Profile
世界日報社
日刊紙を発行する新聞社。世界各地に特派員を配置し、海外情勢とオピニオンにめっぽう強い。日本初の電子新聞も運営中。
QRコード
QRコード
最新コメント
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

月別アーカイブ