2010年02月15日

話題の財閥告発本

韓国から

 最近、こちらの話題本の一つに「サムスンを考える」というのがある。韓国を代表する財閥、サムスングループで会長秘書室の財務・法務弁護士を務めた著者による内部告発本だ。知人の韓国人が「読んでみては」と勧めるので、ソウル市内の大手書店に足を運んでみたら、ベストセラーコーナーの一角で何人もの人が同書を立ち読みしていた。

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 サムスンは半導体や家電で有名だが、韓国では数少ない儲かって仕方がない企業だ。学生たちの就職したい企業ナンバーワンでもある。しかし内部では、会長(今は退任)による息子への不透明な経営譲渡や検察へのおびただしいロビー活動など、不正や癒着が日常茶飯事に行われていたと著者は暴露している。個人的には、政権交代で慶尚道(南東部)から全羅道(南西部)に権力がスライドしたことに対応するため、1年間で全羅道人脈を急ごしらえしたという話が、いかにも韓国的で興味深かった。

 この本を読んで、黒澤明監督の映画「悪い奴ほどよく眠る」を思い出した。権力型不正を暴こうとした一人の男性が、最後はその権力に抹殺されてしまうという社会の不条理を描いたものだ。サムスンの会長は、3年前に著者が“良心告白”と称して告発したのをきっかけに脱税や背任などで起訴されたが、執行猶予付きの有罪判決となり、昨年末に前例のないたった一人の特赦にあずかった。著者は「裁判を見た子供たちが『正義が勝つのではなく、勝つものが正義だ』と考えるようになるのが恐ろしい」と述べているが、ひょっとしたら著者にも社会的抹殺が忍び寄ってはいまいか……。

 大半のマスコミも広告を切られるのが怖くてサムスンの悪口を書けず、本を新聞紙上で宣伝しようとしたら断られたとか。主体性が強い韓国人も処世術は「長いものには巻かれろ」(?)。

(U)

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sekai_no_1 at 12:42│Comments(0)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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