2010年03月15日

旱魃に悲鳴

フィリピンから

 このところフィリピンで一番の関心事といえば、エルニーニョの影響による旱魃被害だ。

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 まだ飲み水が不足するまでには至っていないが、深刻なのは電力不足。原子力発電がないフィリピンでは、火力に次いで水力発電が大きな割合を占めている。ダムの水位が低下するにつれ発電量が次第に減少し、ついにはマニラ首都圏でも計画的な停電が計画されるほどの事態となった。

 幸い記者の住んでいる地域は、たくさんの外国企業がオフィスを置くビジネス街ということもあり、今のところ大規模な停電は免れている。しかし、このまま水不足が続けば今後どうなるか分からない。もし停電で企業のオフィスが機能しなくなれば、経済的な打撃も計り知れない。世界的な不況でも順調に雇用を生み出している、コールセンターなどの業務プロセスアウトソーシング(BPO)事業にも水を差す可能性もある。

 さらに旱魃は、世界遺産にも深刻な影響を与えている。ルソン島北部のイフガオ州にある「天国への階段」として知られる棚田が干上がり、危険な状態にさらされていると地元の報道が伝えた。同州知事が非常事態を宣言し政府に緊急支援を求めているが、あと1カ月旱魃が続けば棚田が崩壊する可能性もあるという。

 ほかに旱魃の影響かどうか分からないが、このところ火事も増えている。火事の原因はロウソクの不始末などのほかに、扇風機など電化製品のオーバーヒートによるものが多いという。暑さに悲鳴を上げているのは、人間だけではないようだ。

(F)

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sekai_no_1 at 10:31│Comments(0)TrackBack(0)アジア 

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