2010年07月26日

すべての道は中国に続く

タイから

 15年前、中越国境都市ランソンを訪問したことがある。中国へと続くランソンのマーケットには、それこそ徒歩でフクロウやセンザンコウ、コブラといったゲテモノを片手に人々が集まっていた。

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 ランソンの国境マーケットで感じたのは、すべてのものをのみ込み始めた中国市場の強大さだった。

 そこには「すべての道はローマに通ず」を彷彿させる、「すべての道は広州に通ず」とでも言えるような、中国の胃袋の求心力のすごみがあった。経済成長の大波に乗り、「親以外は何でも食べる」という広東の食文化は、それこそ近隣省だけでなく近隣国家からも、珍味食材をかき集めるようにブラックホール化していたのだ。近くの山道には国境を越える抜け道があり、密貿易者たちはそうした獣道を往来しながら利ざやを稼ぎ出していた。

 そのうち高速道路でベトナムのハノイと中国の南寧が連結されるようになると、国境都市は不思議と活気が消えうせてしまった。何も国境まで商品を持ち込まなくても、ハノイから中国まで直接運び込むことが可能になり、中国向け商品の集積地としての機能は無くなったのだ。

 その代わり供給地サイドの地図が様変わりし始めている。

 タイ東北部のナコンパノム県ナムワー郡では近年、ヤモリやミミズ、ヒルの干物の売り上げが急上昇している。食用や漢方薬用などのために中国に輸出され、先月の売上高は1000万バーツ(約2700万円)に達した。中国とインドシナ諸国を結ぶ南北、東西回廊の道路整備はゲテモノの流通にも大きな影響を与えている。

(T)

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sekai_no_1 at 10:54│Comments(0)TrackBack(0)アジア 

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