2010年10月25日

黄長元書記の祈り

韓国から

 先日他界した黄長元朝鮮労働党書記が毎朝欠かさず電話をしていた女性のインタビュー記事が、こちらの新聞に掲載された。この女性は韓国のある神学大学の名誉教授で、年齢は黄元書記より1歳下、2人とも平壌出身だ。黄元書記は、長く北朝鮮の統治理念だった「主体思想」の大家で、気難しい一面を持ち合わせていたが、この女性教授には通じるものが少なくなかったようだ。

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 興味深かったのは、そんな2人が最初は水と油の関係だったことだ。神の存在を否定する主体思想を体系化した黄元書記は無神論者、女性教授はクリスチャンだ。黄元書記は女性教授に「祈りだけでは駄目」と言いながら自らの哲学を説破したこともあったとか。

 ところが、黄元書記はその後、イエスの名によって祈り、「神様、正義が必要です。北朝鮮で悪いことをする人が懲罰を受け、善良な人が救いを受けるようにしてください」とも祈ったという。北朝鮮の住民が独裁者の圧政下で苦しみ続ける現実に、無神論者も神頼みせざるを得なかったのだろう。

 また黄元書記は女性教授に「(日本植民地支配からの)解放後、北へ行かずに南に来ていたら…」と後悔の念を漏らしたという。その言葉について女性教授は「そのころまではまだ思想のために北へ行ったのではなく、故郷がそこにあったから行ったのでしょう」と語っている。

 「オボイ(父親の意)首領さま」(金日成主席)、「敬愛する将軍さま」(金正日総書記)と呪文のように口にし、金父子を“生きた神様”のように崇める北朝鮮の人たちが、“本物の神様”に目覚めるのは、そんなに難しいことではないと思った。

(U)

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sekai_no_1 at 13:16│Comments(0)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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