2011年01月17日
北が誇るピアノ神童
韓国から
いま北朝鮮ではパク・コニ君という13歳の少年が「ピアノの神童」として名を馳せているらしい。北朝鮮の衛星テレビの受信を特別に許可されている韓国の機関などでは、国営の朝鮮中央テレビを視聴できるのだが、先日、偶然にもパク君の特番を観る機会があった。
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いま北朝鮮ではパク・コニ君という13歳の少年が「ピアノの神童」として名を馳せているらしい。北朝鮮の衛星テレビの受信を特別に許可されている韓国の機関などでは、国営の朝鮮中央テレビを視聴できるのだが、先日、偶然にもパク君の特番を観る機会があった。
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女子学生たちが客席を埋め尽くした大ホール。舞台中央に置かれた演奏用のグランドピアノが真っ赤だったのにはギョッとさせられたが、パク君の演奏が始まると思わず見入ってしまった。民族曲やショパンの練習曲など数曲を披露したのだが、確かに年齢の割に高い技量や集中力が伝わってきた。ここまでは良かった。
ところが、演奏の合間に女性司会者に求められて語るパク君のコメントがいけなかった。国際コンクールで演奏前に緊張したときのエピソードとして「『アボジ(お父様)将軍様(金正日総書記)が見守っていてくださる』と思って気持ちを落ち着かせました」。今後の抱負については「将軍様に喜びを返し、先軍政治を世界に轟かせます!」。会場にいた両親や指導した先生たちまでも興奮気味に「偉大なる将軍様のおかげ」と口をそろえた。
番組を観ながら、かつて北朝鮮で屈指のピアニストだった脱北者キム・チョルンさんのことを思い出した。平壌国立交響楽団首席ピアニストとして安定した生活と名声を得ながらも、なぜ祖国を捨てたのか。一昨年、キムさんのお母さんにお会いした際、「将軍様のための芸術に息子も限界を感じていました」と語る姿が印象的だった。
将軍様にしてみれば芸術も統治の手段。だが、純粋さが求められる芸術家たちに偶像崇拝を強要し続けるのは土台無理な話だ。留学などで海外に出掛ければ外の世界を知り、当然、矛盾に悩まされることも……。パク君の今後に注目したいと思う。
(U)
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ところが、演奏の合間に女性司会者に求められて語るパク君のコメントがいけなかった。国際コンクールで演奏前に緊張したときのエピソードとして「『アボジ(お父様)将軍様(金正日総書記)が見守っていてくださる』と思って気持ちを落ち着かせました」。今後の抱負については「将軍様に喜びを返し、先軍政治を世界に轟かせます!」。会場にいた両親や指導した先生たちまでも興奮気味に「偉大なる将軍様のおかげ」と口をそろえた。
番組を観ながら、かつて北朝鮮で屈指のピアニストだった脱北者キム・チョルンさんのことを思い出した。平壌国立交響楽団首席ピアニストとして安定した生活と名声を得ながらも、なぜ祖国を捨てたのか。一昨年、キムさんのお母さんにお会いした際、「将軍様のための芸術に息子も限界を感じていました」と語る姿が印象的だった。
将軍様にしてみれば芸術も統治の手段。だが、純粋さが求められる芸術家たちに偶像崇拝を強要し続けるのは土台無理な話だ。留学などで海外に出掛ければ外の世界を知り、当然、矛盾に悩まされることも……。パク君の今後に注目したいと思う。
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