2011年04月04日

墓守への熱き思い

韓国から

 先日、韓国人たちとの会食の席で墓守が話題になった。60代の夫婦が「寒食」を前にし、墓守が大変なので墓地を売ろうという話が出て困っているというのだ。「寒食」とは韓国で毎年4月5日か6日に巡ってくる名節の一つで、この日に合わせ先祖代々が眠る郷里の墓地へ墓参りに行く人たちが多い。

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 よく知られているように韓国では旧来、土葬が行われてきた。墓地は山肌に半球状に土を盛って作られるが、一人に付き一つだから「先祖代々」となると広い敷地が必要だ。当然、草刈りなどの管理が必要で、郷里に残っている誰かに託されるわけだが、もうそれも難しくなり、いっそのこと荼毘に付し、納骨堂に入れようと言ってきたという。

 一緒に話を聞いていた40代の男性は「今、皆そうしている。時代の流れ」と受け答えた。人口の都市集中が進み、農耕社会の中で受け継がれてきた墓守の在り方そのものが変わらざるを得ないという声は、確かによく聞かれる。だが、この夫婦は納得いかない様子だ。

 「先祖代々の墓があるから名節のたびに故郷に帰って祭司(法事)をやる。親戚一同も顔を合わすことができる。もし、それがなくなれば故郷に帰る意味がなくなってしまう」

 酒の勢いもあっただろうが、墓守への熱い思いが伝わってきた。故郷に帰り、自分のルーツを確かめる作業は、時代が変わっても韓国人にとって欠かせないことなんだという…。

 こちらに住んでいると、急速に経済発展し「先進国化」する快適さを感じる一方で、先祖を敬い故郷を大事にする「伝統」にこだわる人たちに出くわすことも多い。高層マンションの林立などで町並みは変貌していっても、「古き良き韓国」を守ろうとする人たちがいることに、妙な安堵感を覚える自分がいた。

(U)

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sekai_no_1 at 11:56│Comments(0)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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