2011年04月28日

米国史の宝庫ペンシルベニア州

米国から

 ペンシルベニア州というとフィラデルフィアが有名で、アメリカ独立宣言が起草され、署名、公表された歴史の町だ。このためか、フィラデルフィアが同州の州都だと思っている人が多い。同州の州都はフィラデルフィアから北西約170キロのところにある人口5万のハリスバーグである。

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 ハリスバーグ自体、首都が一時置かれたこともある歴史的都市だ。全米の州都としては最も古い。ハリスバーグの南東郊外には、福島原発事故に関連してよく引き合いに出されているスリーマイル島原子力発電所があり、そこで炉心溶融の事故が1979年に発生した。

 このほか、独立戦争でフィラデルフィアがイギリス軍に占領され、独立革命軍を率いるジョージ・ワシントン将軍が最も困難な冬を越したバレーフォージもフィラデルフィア近郊にある。

 しかし同州で最も有名なのは、アメリカが国家分裂の危機に直面した南北戦争の最大の激戦地ゲティズバーグだろう。ゲティズバーグは戦争以前は名もない田舎町だった。ここで1863年7月1日から3日間、米合衆国軍と南部連合軍がぶつかり、3日間だけで両軍合わせ5万人以上の死傷者を出した。この戦いが転換点となり、合衆国軍が優勢になり、統一国家としてのアメリカ合衆国が維持された。「人民の、人民による、人民のための政府」という一節で有名なリンカーン大統領のゲティズバーグ演説(1863年11月19日)が行われたのもここである。

(K)

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