2011年05月09日

悲観的で不信感強い国民性

フランスから

 福島第1原発事故に対して、過剰とも取れる反応を示したのはフランスだった。震災直後から在日フランス人に対して大量のメールを送り、仏軍輸送機2機まで飛ばして、フランス人を本国に避難させる徹底ぶりだった。

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 東京に20年以上住むダヴィッドを息子に持つマルセルは、フランスに帰国しようとしない息子にいら立っている。ダヴィッドは「大丈夫だよ。東京では放射能の影響はないし、これまでの経験からして、心配ないよ」と説明したが、母親は「あなたは日本政府にだまされている」の一点張りだ。

 彼女は、オーストリアのテレビドラマを見て、さらに確信を深めたという。そのドラマの内容は、深刻な原発事故が起き、政府は「問題ない」と言い続けたが、結局、国民のほとんどが被曝するという架空の物語だ。ドイツの環境保護団体などが資金を出して制作されたものだった。

 1986年のチェルノブイリ原発事故の時、ソ連は情報開示を行わず、フランスでも高濃度の放射線が検出された経緯もある。マルセルは日本政府も事実を隠していると今でも言い続けている。実はマルセルのような考えを持つフランス人は少なからずいる。

 今年1月に調査会社BVAギャラップが発表した世論調査結果によると、フランスは先進国で、治安も比較的いい国だが、フランス人たちは、世界で最も悲観的な国民であるとされている。53カ国を対象に実施した調査で、特に将来に対する見方で6割以上のフランス人が悲観論を支持した。

 フランス人が悲観的国民であることは何度も指摘されてきたが、今回の原発事故への反応で、それが表れたのかもしれない。無論、危機管理の原則は、最悪の事態を想定することだが。

(A)

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sekai_no_1 at 15:09│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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