2011年07月04日

政治の枠組み

タイから

 タイの政治は、安定しているとされてきた。安定の基本構造は王室と政治家と軍の3者の相互関係だ。二つだけだと、時局により一方の力が増せば、一方は影響力をそがれて不安定な政治力学が働くことになる。それがほぼパリティーな3者となると、安定度はぐっと増す。二つの足だと倒れてしまうが、三つの足だと何とかその状態を維持できるのと同じだ。

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 そうした安定構造があったから「アジアのデトロイト」とされる自動車産業の発展など、世界からの投資を後押しした経緯がある。

 こうした政治の安定度は、21世紀に入りおかしくなってきている。それは圧倒的議席数で強力な与党を形成したタクシン氏の台頭が、軍の懸念を呼びクーデターで政権をひっくり返したあたりから、ぎくしゃくしてきている。無論、英明な国王として国民から敬意を集めてきたプミポン国王が、高齢で影響力を行使できない状況にあることも重なっている。これまでタイ政治の安定度を高めてきた3者の力関係が激変してきているのだ。

 アンケート調査によると、3日に投票日を迎えるタイの総選挙は、タクシン氏の妹のインラク氏が政権党の民主党を抑えて勝利しそうな趨勢にある。軍幹部は早速ブルネイにタクシン氏を訪ね、タクシン派が総選挙で勝利した場合、同派による政権樹立を軍が認める一方、タクシン派が軍幹部の報復人事を行わないといった密約を取り付けたと報じる新聞も出てきた。今回の総選挙で、タイの政治バランスがどう変わるのか。大きな視点から見ておく必要がある。

(T)

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sekai_no_1 at 11:14│Comments(0)TrackBack(0)アジア 

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