2011年08月29日

バスジャック事件から1年

フィリピンから

 香港人の観光客8人が犠牲となった、バスジャック事件から1年が過ぎた。マニラ市では追悼式典が行われたが、事件への対応をめぐる両国の温度差は、さらに広がっている印象だ。

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 アキノ大統領は、「一部の異常な犯罪者が行った犯行であり、国全体が批判されるのは間違っている」と述べ、香港側が求めている公式謝罪を改めて拒否。追悼式典にも参加しなかった。

 香港側は、このようなアキノ大統領の発言や、遅々として進まない事件の責任追及、そして賠償の遅れにいら立ちを強めている。

 このような温度差の原因は、何事に関しても過去を水に流すフィリピン人の気質がある。聞こえは良いが、これは他人も責めない代わりに、自分も責めるなという暗黙の了解でもある。だから、汚職の追及なども遅々として進まない。問題の解決など二の次で、とにかく対立することを嫌がる。できだけ事を引き延ばし、国民が関心を失った頃を見計り、うやむやにしてしまう。

 バスジャック事件の失態も、マニラ市長から警察の高官まで、たくさんの責任者が現場に待機していたが、誰が救出作戦の総指揮を執っていたのか分からずじまいだ。結局、何人かの責任者が、軽い処分を受けただけと記憶している。

 フィリピンの感覚では、1年という期間は事件が風化するのに十分な時間だ。この国でバスジャック事件は、既に遠い過去の出来事となっている。今後も、両国の温度差は、さらに広がり続けていくだろう。

(F)

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sekai_no_1 at 11:48│Comments(0)TrackBack(0)アジア 

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