2011年10月03日

漢江の橋の上から…

韓国から

 ソウルを東西に流れる漢江には20以上の橋梁が架かっている。どれも「○○大橋」「○○鉄橋」と名付けられ、車や鉄道の往来が多い交通の要所だ。夜は鮮やかにライトアップする橋もあり、夜景はなかなかのものだ。

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 経験上、これらの橋の位置関係を覚えるとソウルの地理を比較的早く把握することができる。ソウル市庁前から釜山に行くために京釜高速道路に乗るには漢南大橋を渡らなければならない…国立墓地の顕忠院につながっているのは銅雀大橋…といった具合にだ。

 ところが、これらの橋は一方で飛び降り自殺の名所にもなっている。生活苦や厭世、失恋など理由はさまざまだろうが、多いのはやはり経済絡みだと聞く。

 統計によると2日に1人が飛び降りている。どの橋も川の水面からかなり高い位置にあり、高層ビルから飛び降りるのと同じような衝撃を受けるそうだ。

 飛び降り自殺が後を絶たず、この夏、市は橋の欄干に「命の電話」なるものを設置した。受話器を取ってボタンを押すと、相談員や消防とつながるようになっている。最後の瞬間で何とか思いとどまってもらおうというわけだ。

 記録によれば、橋から飛び降りる人は昔からいた。「漢江に行く」と言えば「自殺しに行く」ことを意味したほどだったそうだ。

 それにしても命の大切さを教える宗教が盛んであるはずのこの国で、自殺率が世界的に高いというのも不名誉な話。過度な競争社会によるストレスが問題視されているが、「恥をさらしてまで生きられない」というプライドの高さも拍車を掛けているというのが記者の推測だ。

 大統領や大企業幹部が不正事件の捜査中に飛び降りるという悲報が伝えられるたびに、そう思う。

(U)

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sekai_no_1 at 14:30│Comments(0)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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