2011年10月11日

風力発電の将来性

フランスから

 フランス西部ブルターニュ地方は、国内では3番目に風力発電が普及している。

 大西洋に突き出した半島なので、海岸線が長く、沿岸の洋上風力発電のタービンが設置しやすいという背景もあるが、内陸部でも普及が進んでいる。

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 風力発電も原子力発電所と同様、周辺住民への理解を得るための補助金という問題がある。ブルターニュ地方のような漁業以外に目立った産業のない地方では、補助金はありがたい。

 地平線まで続く美しい田園風景に何か違和感をもたらす巨大な白いプロペラを見ると、「どうなんだろうか」という思いが湧いてくる。地元でも賛否両論あるそうで、補助金の話も飛び交う半面、反対派も少なくない。

 今年に入り、ブルターニュの北西に接したノルマンディー地方の沿岸に風力発電のタービン建設の話が進められていることが話題になった。というのも、近くの海上に浮かぶ僧院モン・サンミッシェルに対して、ユネスコは、世界遺産登録の取り消しを検討しているという話が出たからだ。景観を害すというのが理由だそうだ。

 最近、フランスの原子力大手アレバ社が、ノルマンディー地方のルアーブルに風力発電機の製造工場の開設を計画していることが報じられた。仏政府が洋上風力発電プロジェクトを推進していることをにらんでのことだそうだ。

 歴史的遺産の多いフランスでは、景観問題は観光産業に直接影響を与える。例えば、ノルマンディー上陸作戦のあったオマハビーチの海上に、ずらりと白いプロペラが並んだら、風景に違和感を与えるだろう。代替エネルギーに取り組む原発大国フランスだが、難しい問題が山積していそうだ。

(A)

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sekai_no_1 at 10:21│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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