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　そもそもこの祭りは夏祭りとして始まり、猛暑期を越え、夜になって涼しさが感じられるようになる９月に行われるのが常だったが、ラマダンが昨年、今年と夏に行われたことから、その時期をずらし、秋に行った。

　さらに今年の祭りが、通常は夕方に始まり夜半まで行われるのが、午後２時から開始されたこと。革命後から続く治安の不安に対処したものだ。

　もう一つの違いは、開会式で、テレビ朝日のカイロ支局長が取材先のリビアで命を落としたことに弔意をささげ１分間の黙祷（もくとう）が行われたことだ。国際情勢の荒波の影響を受けた祭りでもあったのだ。

　会場の感動を呼んだイベントの一つは、合唱団によるエジプトの歌だった。今回の革命時に愛唱された「ビラーディ」と「ヘルワヤバラディ」（わが祖国は素晴らしい）だったが、参加したエジプト人も一緒になって歌い、会場全体が盛り上がった。涙を流しながら歌っていた団員もいた。

　彼が司会者のインタビューに応え、「感極まったのは、革命で多くの若者が死んだエジプトと大地震・津波で、多くの日本人が死んだことに共通性を感じ、共に悲しみを越えて未来に向かおうと思ったからだ」と述べた。両国民の絆が確認された日だった。

（Ｓ）

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