2011年11月22日

市長は「アカ野郎」?

韓国から

 先のソウル市長選で当選した市民運動家出身の朴元淳市長が、防災訓練の行事に参加していた時、突然、後方から近づいてきた60代の女性に首や肩を強くたたかれるという“洗礼”を受けた。市長にけがはなかったが、この女性が騒ぎを起こす際に「パルゲンイ(アカ野郎)、辞めろ!」と叫び、話題になっている。

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 「パルゲンイ」は共産主義者、特に親北朝鮮派を侮蔑する言葉として韓国で長く使われてきた。韓国動乱を経て反北国家となり、「パルゲンイ」のレッテルを貼られようものなら、人間扱いされないような雰囲気が昔はあったと聞く。今でも戦争を知る世代は、この言葉をしばしば使う。以前、中朝国境にある白頭山の取材話を年配の韓国人男性にしたら「おお、パルゲンイと会ってきたかい」と言われた。

 女性は左派系の市長が誕生したことに大いに不満を抱いていた。市長が本当に親北派かどうか知らないが、昨年の北朝鮮による哨戒艦撃沈について「韓国政府が北を刺激したから起きた」と述べ、物議を醸した。保守派は「危険人物」と見ている。

 だが、金大中・盧武鉉両左派政権の10年間で「パルゲンイ」はすっかり市民権を得るようになり、南北首脳会談などもあって世論は北朝鮮に融和的に。おまけに貧富の格差が広がって国民の主要関心事は経済に集中し、政治離れが進んでいる。

 少なくとも若者の間で「パルゲンイ」は、日常生活と何ら関係のない死語に近い。
 女性の言動は褒められたものではないが、国を心配する気持ちは伝わってくる。来年は総選挙に大統領選まである。市長のような政治家がたくさん登場し、北朝鮮に対する「思想武装」を本気で解除し始めまいか、ちょっと気掛かりだ。

(U)

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sekai_no_1 at 11:37│Comments(0)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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