2011年11月28日

不安と焦りの就職活動

フランスから

 ギリシャの財政危機に顔をしかめ、イタリアに危機が飛び火したことに「やっぱり」などと言っていたフランスも、今や赤信号が灯り、重苦しい空気が立ち込めている。失業して1年半、のんびり失業生活を楽しんでいた友人のブリュノも不安を感じ始めている。

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 手厚い失業保険や無料で受けられる職業訓練で、英会話や経理の資格を取った彼だが、条件のいい仕事が見つからず、就業を諦めていた。フランスでは、学歴とキャリアで報酬の目安が決まるので、それ以下の条件の仕事には見向きもしない。

 加えて失業保険も手厚いので、焦ることもなく、失業中もバカンスに出掛け、好きなゴルフも続けたが、今は就職活動にかなり身を入れているそうだ。最近、面接に行った米国系の企業で「わが社の今回の求人枠4人に対して、350人が履歴書を送ってきている」と聞かされ、ショックを受けたそうだ。

 彼は「本来なら、僕があんな仕事に応募するわけないけど、状況は相当厳しそうだ」と焦り気味だ。もう一つ心配している新しい事情がある。それは最近、フランスでも退職年齢を過ぎた65歳以上の人たちに、継続して働きたい人が増えていることだ。

 以前のフランスなら、指折り数えて退職の日を心待ちにし、第二の人生は世界旅行やボランティア活動でという人が圧倒的に多かったが、寿命が延び、長く働きたい人が増えているという新事情がある。

 そうなると、新規募集も枠は狭まり、なおかつ、ユーロ危機の先行き不安から、事業を縮小したり、人材募集を控えたりする企業もあるという。事実、ブリュノの友達はフランスでの職探しを諦め、中国に進出しているフランス企業の上海事務所に勤め始めた。

 ブリュノも「贅沢なことは言っていられない」と、重い腰を上げ、本腰で就職活動に取り組み始めた。周囲の友人たちは、「あいつも黄信号が灯ったな」と皮肉を言っている。しかし、ブリュノの妻は、「だからといって中国には行きたくない」と今から心配している。

(A)

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sekai_no_1 at 15:52│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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