2012年04月02日

「商道徳」の落とし穴

韓国から

 課外教育が盛んな韓国では「学習誌」と呼ばれる職種がある。担当の先生が週1回家庭訪問し、教材を使って生徒に教える家庭教師のような仕事だ。そこで働くある女性がある日、こんな愚痴を漏らしてきた。

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 「自分の口ではっきり『来月も続ける』と言ったくせに、今ごろになって『やっぱりやらない』なんて言い、振り込みも断ってきた。最近の若い人は商道徳がなくて困る」

 聞けば、生徒の母親が口約束を破ったため、自分が代わりに会費を支払う羽目になったという。1年以上続いた信頼関係を土台に来月もやるという約束を取り付けたが、相手が豹変し、契約書やサインがないのだから自分には責任がないと言ってきた。

 韓国には「約束=契約」に近い認識がこれまで社会に広く浸透してきた。約束をした方も「相手に悪いから破れない」と「思うべき」だった。このようなあいまいな温情主義に乗っかって売り手と買い手が守るべきマナーのようなものが「商道徳」と呼ばれている。

 問題は近年、これを意に介さない人が増え、トラブルが多発するようになったことだ。

 土地の開発権をめぐって「口約束は有効」と主張し、「口約束は無効」と反論する人を訴える裁判も起きたりしている。裁判所としては当然、契約書を判断基準にするため、原告は敗訴の憂き目に遭った。

 零細商店を守るため大型スーパーの出店を規制したり、営業日を制限したりすることが話題になったが、これも温情的な「商道徳」に基づいた発想だ。だが、左翼が「経済民主化」などと言いだして自由競争の否定につながりかねない危うさも隣り合わせだ。

(U)

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sekai_no_1 at 14:54│Comments(0)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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