2012年04月23日

海雲台の光と影

韓国から

 韓国有数の海水浴場で日本人観光客にもなじみがある釜山・海雲台に数年ぶりに足を運んだら、その変貌ぶりに驚かされた。海に突き出すような埋め立て区域に80階建ての豪華な超高層マンションが林立し、一種の「マリンシティー」が出来上がっていたからだ。

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 近くまで行って見上げていると首が痛くなりそうなほど。聞けば高さ300メートルで、ソウル江南にある高層マンションを抜いて今は韓国で一番高く、住居用では世界で8番目だそうだ。空気が澄んだ日には玄界灘に浮かぶ対馬まで望めそうな立地条件だ。

 周囲には約80件の不動産仲介業者がひしめいている。言うに及ばず「億ション」だが、昨年末に入居が始まり、既に入居率9割超の人気。韓国の金持ちだけでなく、噂を聞き付けて日本や中国、ロシアからもミニ・ツアーを組んで物色しに来るほどだという。

 東日本大震災の影響で避難先として購入しようという日本人需要が急増していると地元紙が報じ、それがいつの間にか「日本人が買いあさっているようだ」と噂になった。

 だが、実際には目星を付けた物件があっても、外国人が現地の金融機関から融資を受けるのは難しく、賃貸契約で我慢するケースも間々あるようだ。

 「富の象徴」とも言うべきこの海雲台の一角は、韓国発展の証しである半面、格差社会も影を落としている。韓国では最近「1%対99%」社会という言葉がはやっている。中産階級が没落し、1%の金持ちと99%の庶民に極端に分かれる貧富の格差があるという意味だが、海雲台は「99%」がねたむ「1%」に属す。

 ちなみに先の総選挙で海雲台は保守系与党が勝った。「金持ち=保守」「庶民=左派」という構図がまだはっきりしているのが韓国だ。

(U)

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sekai_no_1 at 13:19│Comments(0)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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