2012年06月19日

「強制休業」も民主化?

韓国から

 日曜日に妻と一緒に近くの大型スーパーに行ったら、入り口のシャッターが閉まったまま、そこに「今日は義務休業日です」という横断幕が掛かっていた。「年中無休じゃなかったの?」と妻に尋ねると「ここでも始まったのね」と言われ、ニュースで言っていた「強制休業」のことだとようやく合点がいった。

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 韓国では近年、大型スーパーの相次ぐ出店で地元商店街の売り上げがめっきり減ってしまい、商店主たちを中心に「零細小売業殺しだ」という不満が広がっている。彼らを少しでも助けるため、各地の地方自治体で大型スーパーに第2・第4日曜日の月2回、義務的に休業してもらうための条例改正が行われたのだ。スーパー側は強く反発し、裁判沙汰にもなったが、行政の“圧力”に抗し切れず、「強制休業」の波は広がっている。

 零細がかわいそうだから大手を締め付けるという発想がいかにも左翼的で、自由競争を否定する悪平等の素地もある。条例改正をする自治体を見ると案の定トップが左翼だ。だが、所得の両極化が進んで庶民の生活向上が大きな課題となり、大統領選まで控える今の韓国では、保守派も下手に反対できない雰囲気があるようだ。

 「強制休業」の背景には最近はやりの「経済民主化」という考え方がある。財閥はじめ大企業の市場独占や経済力の乱用を防ぐという趣旨で、要は経済の負け組には温かい手を差し伸べ、勝ち組にはそれに協力するための犠牲を甘受してもらうというものだ。

 グローバルスタンダードを謳歌し、先進国入りを予感させるほどの勢いだっただけに、時代に逆行すると感じている韓国人も多いが、軍事政権時代の長く暗いトンネルをくぐってきたという思いが根強いせいか、「民主化」という言葉には弱い(?)。

(U)

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sekai_no_1 at 15:40│Comments(0)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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