2012年06月25日

英首相発言に戸惑い

フランスから

 英国のキャメロン首相が「フランスの高額所得者がわが国で税金を支払うよう、赤絨毯を敷いて待っています」と発言したことに、フランスのオランド新大統領は戸惑いを隠せないようだ。

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 キャメロン首相の発言の真意は、高額所得者への税率を75%に引き上げようとしている仏左派政権を牽制するものだったが、伝わらなかったかもしれない。フランスのメディアも高額所得者がフランス国外に逃避する現象は食い止められないだろうと報じている。

 最近、仏国営テレビ、フランス2が、フランス人投資家が、ニューヨークの高級アパートを買いあさっている現場を紹介している。その投資家曰く「ニューヨークの質のいいアパートは高額で貸すことができ、借り主も容易に見つかる。転売も簡単だ」と説明していた。

 どうして、フランスの不動産に投資しないのかという質問に「これから確実にフランスの不動産価値は下がるだろうし、税金も上がり、投資価値が薄まっているからだ」と答えていた。フランスの資産家も投資先を国外に移している。

 実はサルコジ政権が発足した5年前、選挙中掲げた高額所得者への高い税率を引き下げる公約を実施に移した経緯がある。当時、フランスの高税を嫌う実業家たちは税金の安い隣国ベルギーなどに移住する現象が続いていた。

 少しは、金持ちたちのUターンも、この数年あったが、今回、高額所得者への税率アップを目指す左派政権が誕生したことで、確実に海外逃避が起こることが予想される。キャメロン首相は皮肉を込めて、フランスからの高額所得者を歓迎する意向を表明したわけだ。

 オランド大統領は自分や首相、閣僚などの給与を20〜30%減額するとしているが、サルコジ前大統領が自分の給与を前任者の2倍以上に引き上げており、その額の3割カットでも大した減額とは言えず、偽善的と批判もされている。それに左派政権は成長戦略を主張しているが、ばらまきとの懸念も強まっている。

 現政権に批判的なフランス人は、フランスは今後、低額所得者と移民だけが住む国になるのではと悲観的にみている。

(A)

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sekai_no_1 at 13:54│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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