2012年09月24日

根付くか職人尊重

韓国から

 韓国政府が週1回発行している雑誌をパラパラとめくっていたら、職人を特集した記事に目が留まった。学歴社会の韓国にあって、これといった学歴はないものの、物づくりや専門技術で認められた、ちょっとしたサクセスストーリーの主人公たちが紹介されていた。

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 30年以上にわたってシュンラン(春蘭)の優良種開発に尽力した園芸家、中学を卒業して職業訓練校で溶接技術を学び、その後、サハリンの海洋プラントなど数々の鉄骨構造物を手掛けるようになった板金加工の熟練工、作業や調査を目的とするコマーシャルダイビングの第一人者で後輩育成に向け学校を設立した元海軍救助隊員――などだ。

 製菓店に住み込みで働き、やがて独立して評判のパン専門店を構え、全国で20店舗以上を展開するまでになったホン・ジョンフンさん(48)は、パン作りにこだわりを持ち続けている。大きな店に雇われていると分業になり、職人としての腕を磨く機会が減ると思い、常に自分の手でパンをこねられる環境を探した。現在は経営者の立場だが、ゆくゆくは店舗を縮小して一職人に戻りたいという。

 もともと韓国で職人はあまり認められてこなかった。儒教の影響だろうが、どうしても学の有無が人を判断する基準となり、人気がない職種でコツコツ地味な仕事を積み重ねるのは苦手だ。日本と違い、職人を尊重する文化が社会に根付きにくい構造だ。

 だが、近年はさすがに学歴偏重の弊害に気付き始めたようである。幅広い価値観や余裕のある学生生活に少しずつ目を向けられるようにもなった。
 政府は先日、この特集記事に出てきたような職人81人を「2012大韓民国の名匠」に選んだ。まだ政府という音頭取りが必要だが、この国のことだから変わり始めたら一気呵成に変わる可能性も。

(U)

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sekai_no_1 at 11:52│Comments(0)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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