2012年10月02日

時間が最大の敵に

カンボジアから

 カンボジアで1970年代にあった旧ポル・ポト政権による大量虐殺を裁く特別法廷が現在、大きな困難に直面している。1970年代後半の4年間に国民の5分の1が死亡するという大虐殺の歴史の清算を目指す特別法廷は、6年前に国連とカンボジア政府との合意に基づいて設置された。その特別法廷が行き詰まっているのだ。

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 今年2月にトゥールスレン政治犯収容所の元所長カン・ケ・イウ被告(69)に対し、ようやく終身刑を言い渡したものの、残る4人についてはまだ審議が続いている。
 この
4人はいずれも80歳以上と高齢で、健康状態が悪化しているとされる。今月中旬には、イエン・チリト被告のアルツハイマー病が進行し、審議が継続できる認知能力が欠落しているとして釈放された。

 チリト被告はプノンペンに住む家族が引き取り、家族に見守られながら暮らしている。国外への渡航禁止や他の被告との交流禁止といった条件は課せられているものの、日常生活は支障なく生活している。

 ただ国民の中には、裁判での追及を避けるための偽装ではないかとの声があるのも事実だ。いずれにしても、彼女が関わったとされる大量虐殺や強制労働といった戦争犯罪を追及することは不可能になった。

 それだけでなく政権ナンバー2だったヌオン・チェア被告、副首相だったイエン・サリ被告、国家元首だったキュー・サムファン被告の3人も80歳以上の高齢で、中には心臓病を患っている者もいる。ポル・ポト法廷は当初、3年で審議を終了する予定だったが、6年たった今もこうした状況で、なお結審の見通しは立っていない。
 このままだと下っ端役人だけの罪状確定でアリバイを作り、本当の悪玉は悠々と生き残る可能性が高くなっている。

(T)

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sekai_no_1 at 11:03│Comments(0)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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