2012年11月12日

コメ輸出世界一の座危うし

タイから

 タイ商業省はこのほど、今年のコメ輸出が目標の850万トンに届かず、750万トン程度にとどまる見通しを明らかにした。タイの昨年のコメ輸出は、1060万トンあったことからすると、大きく下回る趨勢となっている。

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 コメ輸出が激減した最大の理由は、政府が大量のコメを市価の4割増しで購入していることが大きい。これが国内米価を引き上げ、タイ米の国際競争力を低下させているからだ。

 なお今年の輸出量は、これまでベトナムが590万トン、インドが560万トン、タイが550万トンで、タイは「コメ輸出世界一」という座から転落する恐れが出てきた。

 かつてコメの恒常的な輸入国だったベトナムは、1989年以降コメ輸出国に転じ、今や米国を抜き世界第1位のタイに次ぐコメ輸出国となっている。

 ベトナム版改革開放路線であるドイモイ開始以降、中国からの肥料輸入などに助けられながらコメ生産の量的拡大が続けられた結果だが、近年は増産政策一本やりから転換し、ベトナム米の質的国際競争力を高め付加価値の高いコメの生産体制強化へとかじを切ってもいる。

 歴史を俯瞰すると、戦後しばらく東南アジアで一番のコメ生産地はミャンマーだった。それがタイに移り、さらにベトナムがトップの座をうかがうようになった。
 国際河川メコン川が西から東に流れているように、コメ生産国も東に向かっている。

(T)

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sekai_no_1 at 10:21│Comments(0)TrackBack(0)アジア 

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