2012年11月26日

心配されるシナゴーグ

フランスから

 フランスは、国内に欧州最大規模のアラブ系移民約600万人と、これも欧州最大のユダヤ社会を抱えている。そのため、フランス国内には、イスラム礼拝所のモスクが増えつつあり、ユダヤ人学校も多い。特にユダヤ人学校は、パリだけでも50校以上もある。

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 この二つのコミュニティーは、通常は適当な距離を置いて暮らしているが、パレスチナ情勢悪化に呼応して、対立を深めることが多い。今回もパレスチナを実効支配するハマスの軍事部門トップがイスラエル空軍の爆撃で殺害されたことから、フランスへの影響が心配されている。

 特にユダヤ教礼拝所のシナゴーグやユダヤ人学校、ユダヤ人墓地への襲撃が懸念され、警察当局は警戒を強めている。

 今年3月、フランス南西部トゥールーズのユダヤ人学校の通学時間に、北アフリカ・アルジェリア系移民の男がスクーターで乗り付け、教師と生徒4人を銃殺する事件が起きている。仏ユダヤ学生同盟(UEJF)の調べでは、イスラエル情勢の悪化により、この5年間でフランスでは、反ユダヤ主義的行動が250件以上確認されているという。

 ただ、ややこしい話だが、ユダヤ人学校やシナゴーグを襲うのは、イスラム過激派だけではない。白人フランス人の極右の若者も反ユダヤ主義的思想を持っており、ユダヤ人墓地に落書きしたりしている。さらに彼らはアラブ系移民排斥も運動方針にしていて、モスクに火炎瓶を投げ入れたりもしている。

 しかし、アラブ系移民がフランスに住むユダヤ人を不快に思っているのは、パレスチナ情勢ばかりではない。ユダヤ人たちは総じて金持ちで、トゥールーズのユダヤ人学校襲撃事件の時も、現場に駆け付けた生徒の親たちのほとんどが高級車で乗り付けてきた。フランス人の友人は「ユダヤ人は金持ちの代名詞」と決め付けている。

 逆にアラブ系移民の多くは、大都市郊外の低所得者層がひしめく貧困地区に住んでいる。この二つのコミュニティーの経済格差も対立を深める原因になっている。これはイスラエルでも同じであり、まさにフランスは宗教や民族対立の世界の縮図というべきかもしれない。

(A)

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sekai_no_1 at 15:06│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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