2013年01月14日

高額所得者の“避難先”

フランスから

 フランスでは名優として知られるジェラール・ドパルドュー氏のフランス脱出が昨年暮れから話題になっている。話の発端は、オランド左派新政権が高額所得者への税率を75%にまで引き上げる方針を打ち出したからだ。この方針は仏憲法会議で現在、違憲とされている。

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 ドパルドュー氏は、演技派俳優というだけでなく、高級ワイン生産農園やレストランを所有し、自身もこれまでパリ市内に豪邸を構えていた。年収もフランスでは超富裕層の一人ということで、オランド左派政権の税制改正には、真っ向から反対している。

 そのために、ベルギーに移住するとして市民権を取得し、家まで購入し、メディアを賑わした。ところが交友のあるロシアのプーチン大統領が、国籍を出すことに合意したため、ロシアの国籍も取得し、ロシアの親善大使を務めるという事態にまでなっている。

 フランスでは、著名人の富裕層約70人のうち、映画俳優のアラン・ドロン氏など半数以上がすでに国外に暮らしているという。

 この話で思い出すのが、キャメロン英首相の“赤絨毯発言”だ。オランド新政権が富裕層の税率を引き上げると聞いて、英国に逃げてくるフランスの金持ちたちを英仏海峡に「赤絨毯を敷いてお待ちしています」と発言した話だ。これは保守のキャメロン氏の皮肉のこもった発言だった。

 実は、実際にロンドンに住んでいるフランス人の数は、人口にしてフランスの5番目の都市に匹敵するとされていて、金持ちたちの避難場所になっている。ベルギーにもフランス人村があるほどだが、今度はロシアという話は飛躍し過ぎのようにも思える。

 実は、ロシア人のフランスびいきは歴史的なもので、今でも多くのロシアの国会議員やインテリがフランス語を話す。ロシア人エリートの留学先だからだ。経済成長目覚ましく、親仏のロシアは、フランス人にとっては居心地がいいようだ。とにかく、国外逃亡者が続出するフランスの現政権の支持率は低迷を続けている。

(A)

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sekai_no_1 at 13:23│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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