2013年01月29日

カトリック系病院の苦悩

オーストリアから

 独ケルン市で先月、暴行された女性が妊娠を恐れ、中絶薬を要求したところ、カトリック系病院が拒否した。そのため女性は中絶処置をしてくれる病院を探し、最終的にはプロテスタント系病院に受け入れられたという。

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 この件が報じられると、国内のカトリック系病院に対し、「暴行された女性が妊娠を恐れ、中絶薬を要求したのに、それを非情にも拒否するとは考えられないことだ」といった批判の声が高まってきた。キリスト教民主同盟(CDU)、社会民主党(SPD)や「緑の党」議員らからは、「緊急医から送られてきた患者を追っ払う病院はもはや病院ではない」という批判や「カトリック系病院の業務を停止させるべきだ」といった過激な声まで聞かれる。

 バチカン放送(独語電子版)によると、国内の反響を深刻に受け止めた独カトリック系病院同盟(KKVD)のトマス・ヴォルトカンプ会長は「ケルンの場合、困窮下の患者を受け入れなかったという点で間違いを犯したが、カトリック系病院全体の存在に疑問を呈したり、批判することは受け入れられない」と反論し、「法に基づき、カトリック系病院は患者の一定の要望に対して拒否できる権利を有する」と述べた。具体的には、中絶、安楽死などがそれに該当するだろう。

 同会長は「カトリック系病院はキリスト教倫理と患者の期待との間で常に苦悩してきた。全ての要望を受け入れるか、全てを拒否するか、難しい選択に遭遇している。明確な点は、一病院が単独で決定できる問題ではないことだ」と語った。

 ドイツには435のカトリック系病院があり、約9万8000のベットに約16万5000人が働いている。ドイツ全土では、約5病院に1病院はカトリック系病院だ。

(O)

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sekai_no_1 at 10:45│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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