2013年03月18日

日韓外交の生き証人

韓国から

 元在韓日本大使館公報院長(公使)の町田貢さんに8年ぶりにお会いした。昭和39年の初赴任以後、30年以上も韓国で日韓外交の現場を担当した生き証人のような方に、新政権が発足して間もない日韓両国の関係をどう見ているか尋ねてみたかった。


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 かつて日本料理店の看板には「倭食」(倭は日本人の別称・倭奴の頭文字)と書かれてあったが、今は日本語で店名が書かれるまでになったこと、昔は食堂などで日本人同士が日本語で話をしていると箸が飛んできたが、今は日本語の会話が聞こえてきても誰も特に違和感を覚えなくなったこと…。町田さんは韓国人の反日感情に向き合い続けてきた立場として「隔世の感がある」と語った。

 だが、一方で心配事も漏らしていた。日本では尖閣諸島や竹島(韓国名・独島)など中韓との懸案で強硬路線を支持する世論をバックに安倍政権が登場した。

 韓国は歴史絡みの問題になると感情的になって自分の主張を押し通そうとする。この状況では「お互いが自分が満足できる百パーセントを望み、譲歩しないから摩擦が起きて当然」という。韓日議員連盟についても昔は「日本語世代がいて摩擦が起きても潤滑油の役割を果たした」が、今は「来日して反日世論を代弁し帰っていく」。これはもう「外交じゃない」と。

 弊紙バックナンバーを探すと、前回、町田さんはインタビューに「日韓関係に特効薬なし」と答えていた。記者も在韓歴が長くなり、同じような思いに駆られることがある。

 町田さんは「譲り合う外交」を現職の後輩たちに託し、日韓のメディアにはそういう論調がもっと登場することを期待しているようだった。再来年は国交正常化から半世紀だ。大きな節目に花を添えられるような企画を今から少しずつ練ろうか、と思った。

(U)

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sekai_no_1 at 13:26│Comments(0)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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