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　社内結婚で非正社員の新郎が正社員の新婦と式を挙げようとしたところ、新郎が正社員でないことを知った新婦の父親が出席をドタキャンしてしまう場面があった。「まさかそんなことで？」と思ってしまうが、ドラマを観た韓国人によると「韓国では無きにしもあらず」なのだという。

　韓国の場合、１９９７年に襲った通貨危機で、契約職やパートなどの非正社員が急増した。統計によると、３人に１人が非正社員で、数字だけ見ると日本とあまり変わらないが、彼らの正社員に対する劣等感や羨望は日本の比ではない。

　法律では非正社員を２年雇用したら正社員に昇格させることが義務付けられているが、２年になる前に解雇してしまう経営者が少なくない。再契約したいがため妊娠の事実をひた隠しにする女性非正社員の冷や冷やドキドキもドラマだけの話ではなさそうだ。

　正社員・非正社員の格差は大きな社会問題で、その是正は朴槿恵大統領の主要公約でもある。資本主義国なら市場原理に任せるしかないと考えるところだが、韓国はちょっと違う。父親の朴正熙大統領の時代、政府の厚い優遇政策でここまで成長した財閥には朴父娘への義理もあってか、つい先日もある財閥系企業が数千人の非正社員を正社員に昇格させると約束した。経済的弱者救済に熱心な“パク・ノミクス効果”と言える。

（Ｕ）

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