2013年05月30日

政権交代で停電が増えた

エジプトから

 エジプト国民は今、ほぼ毎日、時には1日6回もの停電を前に、困惑している。ムバラク前政権時代は、ほとんど停電はなかったのだが、「アラブの春」でイスラム根本主義組織「ムスリム同胞団」が政権を掌握した後、徐々に始まり、今では、1日数回というところも増えてきた。

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 夕方7時から9時前後には2時間ほど停電になることが多く、皆諦めて寝そべる以外にない。テレビが見られないし、炊事もできない、コンピューターも使えない、仕事もできない。

 イベントを企画しているところは大変だ。知人が通う英語塾や日本語教室でも、停電が頻発し、授業ができなかったり、早目の解散になったりする。

 先日は、邦人が開催を楽しみにしている「秋祭り」の向けて歌の練習が、日本人会で行われたが、練習時間に設定した午後7時から9時までずっと停電だったことから、曲の新たな部分は練習できず、以前の復習だけで終わったそうだ。モルシ政権に対する不満が爆発したという。

 国際交流基金や、学術振興会など、邦人やエジプト人を対象に夜のイベントを企画しているところは今後、停電を警戒することになりそうだ。

 停電が頻発するようになった最大の原因は、同胞団を母体とするイスラム根本主義過激派組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザへの送電だそうだ。大量の物資もシナイ半島を通じてガザに密輸されている。自分たちが欲しい物資が目の前を通過してガザに運ばれているとして激怒しているシナイ半島の住民達の姿が独立系テレビを通じて放映された。

 ムスリム同胞団はエジプトのみならず、パレスチナ、リビア、チュニジア、ヨルダン、シリアなど近隣諸国のムスリム同胞団化を最大の政治目的にしており、その目的達成のためなら少々の反発を得ようとも貫徹する構えのようだ。

 大統領の支持率は30%に下落、早期大統領選を求める署名活動が活発化しているものの、気にかける様子はない。

(S)

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