2013年06月17日

G8サミットの意義再考

英国から

 英・北アイルランドのロックアーンで開催される主要8カ国(G8)首脳会議(サミット)は39回目だ。1975年に始まった同サミットは当初、欧米主要先進国(米英仏伊と当時の西独、1年後にカナダ)と日本が参加し、73年のオイルショックとそれに続く世界的不況を受けて主に世界経済の諸課題を討議するのが目的だった。冷戦終結後はロシアが参加し、政治問題も重要テーマになった。だが、基本的には経済サミットの性格が強い。

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 しかし、経済成長が著しい中国、インド、ブラジルなどの新興国の存在を抜きにしては現在の世界経済を語ることはできないので、G8の8カ国に欧州連合(EU)と新興経済国11カ国を加えた20カ国・地域(G20)首脳会議が2008年以降開催されるようになった。G20サミットが09年4月にロンドンで開催された時には、今後はG20がG8に取って代わるかに見えたほどだ。ところが最近、参加国が多いG20では、利害調整が一層困難で一体化して問題に取り組めないことがはっきりしてきた。

 そこで再度G8の登場だ。だが、今G8に期待されているのは世界経済・政治上の問題解決だけでなく、貧困、開発援助、食糧、地球環境、技術の平準化など、地球規模の諸問題に国益を超えて取り組むことである。国連が掲げるこうしたグローバルな人道的課題に取り組むことができるのは成熟したG8以外にない。G8の一員である日本が再浮上する道もここに開かれている。ロックアーン・サミットは、安倍首相が日本で今月初めに開催した第5回アフリカ開発会議の成果をアピールする絶好の機会だ。

(G)

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sekai_no_1 at 13:39│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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