2013年06月24日

移民夫婦の自慢話

フランスから

 パリ東郊外のノジャンという町の役所の住宅支援課に勤務している知人のベアトリスさんは「まったく、チュニジア人には頭にくる」とイライラしながら話し始めた。彼女の仕事は貧困者や移民で、住む場所のない人々に住宅を提供することだ。

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 彼女は、最近世話をしたチュニジア系移民の夫婦の話をし始めた。10年前からパリの南郊外の低家賃公団住宅(HLM)に住んでいた夫婦は、仕事の都合で引っ越して来た。市役所にやって来た夫婦にHLMに入りたいと頼まれた。

 ベアトリスさんは、なかなか空きのないHLMを無理して探し、何とか住めるようにしてあげた。彼らは住み始めて、すぐ近所の住人と仲良くなり、自宅に隣人を招いてパーティーを開いたそうだ。

 そこにベアトリスさんが前にそのHLMに世話したクロアチア系移民の夫婦もいて、そのチュニジア系夫婦の自慢話を聞いたらしい。

 そこで聞いた話では、チュニジア人夫婦は、実は35年前にフランスに移民し、ずっとHLMを渡り歩いているそうだ。その一方でチュニジアに豪邸を持っていると自慢していたというのだ。

 「結局、彼らは、フランスで安い家賃のHLMに住みながら、働いて稼いだ金をチュニジアにせっせと運んで、老後のために家を建てたりしているのよ」とクロアチア人夫婦。

 ベアトリスさんは「税金を払っているわれわれフランス人は、彼らを可哀相に思わなければいけないというけれど、実際に彼らの世話をしている私にしてみれば、理解できないことも多い」と複雑な心境を語ってくれた。

(M)

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sekai_no_1 at 13:25│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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