2013年07月29日

音楽祭「プロムス」の楽しみ方

英国から

 ロンドン市内のロイヤル・アルバート・ホールで毎年夏に2カ月間近く行われるクラシック音楽祭「プロムス」(BBCプロムナード・コンサート)の新たな楽しみ方を知った。ほぼ毎日、演奏会本番の前にその日のプログラムに関する一般参加型のイベントがあり、プログラムの解説やテーマに関する討論、朗読やコーラスの実技、出演者のリハーサルなどを無料で開放しているので、今回初めて参加してみた。

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 今年はワグナー生誕200年であるため、プロムスでも大作「ニーベルングの指環」が4日間にわたって上演されたが、16時間に及ぶこの大作を全部通しで聞くにはあらかじめ内容や作品の背景をよく理解していないとその醍醐味が分からない。というわけで、22日の特別イベント「指環を発見しよう」に参加した。

 イラストを使って全体のストーリーのおさらい、音楽大学教授がピアノでライトモチーフの実演解説、ワグナー専門家たちによる討論会、声楽家の公開リハーサルなど、と盛りだくさんの内容だったが、初心者でも理解できるように企画しているのには感心した。

 クラシック音楽、特にオペラになると特別な人々の趣味のように受け取られがちなのは英国でも同様だ。しかし、プロムスは一般の人々がクラシック音楽を身近に感じられるようにさまざまに配慮している。家族用イベントもあって、子供たちが小さい時からクラシック音楽に親しみ、楽しめるようになっている。

 専門的で難しいものでも分かりやすくしてポピュラーにするというのが、実用主義的な英国民の特性だが、イベントに参加して、ドイツ人作曲家であるワグナーの複雑怪奇で深遠な大作も何となく身近に感じられるようになった。

(G)

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sekai_no_1 at 13:31│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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