2013年09月26日

ワシントン海軍工廠

米国から

 今月16日にワシントンの軍事施設で元軍人による銃乱射事件が起き、少なくとも13人が死亡した。オバマ大統領は事件直後、「また銃乱射事件が起きた。犠牲者は海外任務に伴う危険は覚悟していたが、ここ母国で予想もしなかった暴力に巻き込まれた」と語った。

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 事件が発生した現場は、ワシントン海軍工廠という施設だ。一般の米国人にとっては馴染みが薄い。事件が起こって初めて、英語でネイビーヤードという名前のこの施設がどんなところか関心を持ち始めたという人がほとんどだ。

 ワシントン海軍工廠は米海軍の最も古い陸上施設である。1799年に設立され、初期には海軍最大の造船所だった。その後、兵器の開発・生産が行われるようになり、兵器廠の機能が中心になってゆく。現在は、海軍作戦部、海軍歴史センター本部、海軍原子炉事務所、海軍犯罪捜査局、海兵博物館などの海軍関係の組織が置かれており、約3000人が勤務している。

 海軍工廠は歴史が古いだけにさまざまな歴史的事件に関係してきた。1812年から2年間続いた米英戦争では英軍により首都ワシントンのかなりの部分が炎上したが、工廠は首都防衛の戦略拠点になった。1860年代の南北戦争では北軍の艦船の修理、兵器庫として活躍し、リンカーン大統領も頻繁にここを訪れていたという。1860年には日本の外交使節団が工廠を訪問し、その設備に大いに感銘を受けたことが記録に残っている。20世紀に入って、第1次世界大戦では海軍の全兵器の製造工場となり、第2次世界大戦の頃には世界最大の軍需工場になった。

(K)

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