2014年08月01日

「犠牲」が報われる瞬間

米国から

 筆者の住む米バージニア州北部では夏の間、自治体主催の無料野外コンサートがあちこちで開催されている。コンサートといっても決まった座席はない。各自が敷物や折りたたみいすを持ち込み、芝生の上に自由に座るスタイルだ。お菓子をつまんだり、ワインを傾けながら音楽を楽しむ人も。この開放的な雰囲気が好きで、時々、家族を連れて聴きに行っている。

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 コンサートのジャンルは多種多様。個人的に一番気に入っているのが米軍の音楽隊だ。軍の音楽隊というと、マーチングバンド的なイメージがあるが、米軍には合唱やジャズ、カントリー、ロック、ケルト音楽などを専門とするさまざまな音楽隊がある。音楽を「任務」とする彼らの演奏はレベルが高い。

 米軍音楽隊のコンサートでは、最後に必ず、陸海空軍・海兵隊・沿岸警備隊の各軍歌がメドレーで演奏される。この時、客席の退役軍人や現役兵士、その家族らが起立し、他の観客から拍手喝采を浴びるのがお決まりだ。

 軍務を英語で「サービス」と言うように、米国では軍務に就くことは「国家への奉仕・犠牲」と理解され、軍人は尊敬の対象になっている。コンサート会場の聴衆が退役軍人らに盛大な拍手を送るのも、彼らに感謝の気持ちを伝えたいとの思いからだ。

 起立する軍関係者の中には、年老いた夫婦の姿も。ご主人が戦争を経験した退役軍人なのか、あるいは軍務に就く子供か孫がいるのかは分からない。軍との関わりが何であれ、国家に貢献した老夫婦らが誇らしげな表情で拍手を浴びるのは、実にすがすがしい光景である。

(J)

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