2016年03月24日

ある日突然、店を失う

ロシアから

 近頃の不景気で、ちょっと前まで営業していた店が、突然閉店しているのによく出くわす。しかし不景気とはいえ、モスクワは1200万人の人口を誇る世界有数のメガシティ。購買力も高く、ビジネスチャンスはあちこちにある。大抵はすぐに別の店が入居し営業を始める。新陳代謝の早い街である。

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 商売がうまくいかず、店を畳むのはある面仕方ない。しかし、そうではないのに突然、店を失う人もいる。筆者の友人イリヤさんがそうだ。

 イリヤさんはコピー店のオーナーで、商売は順調そのものだった。しかしある日、近所の人から、店が大変なことになっていると電話がかかってきた。なんと、イリヤさんの店が入居する建物の取り壊しが始まっていたのだ。

 慌てて商売道具のコピー機やパソコンなどを運び出したのだが、突然のみぞれで機材は全てずぶ濡れになっておしゃかに。店を失っただけでなく、負債まで背負うことになった。

 モスクワ市は都市再開発の一環で、建築基準を満たしていない建物や、景観にそぐわない建物の撤去・建て替えを進めている。取り壊しのしばらく前に、イリヤさんの店が入っていた建物のオーナーにも警告があったのだが、まさか本当に取り壊すとは思っておらず、テナントに何も知らせなかったという。

 もちろん、これはオーナーが悪いのだが、建物撤去の周知期間があまりにも短いとの批判もある。どちらにせよ被害にあったテナントはとんだ災難であり、同様のケースでいくつも訴訟が起こされている。

(N)

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