2019年06月06日

今年で最後のバイク大行進

米国から

 5月最後の日曜日、首都ワシントン近郊で車を運転していると、轟音(ごうおん)を立てながら行進するバイク集団に出会った。一行は、ハーレーダビッドソンなどの大型バイクに乗り、首都を目指して疾走。通過するのを待つために、30分ほど足止めされた。

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 これは、戦場で捕虜や行方不明になった米兵の存在を喚起させるため、退役軍人たちがバイクで行進する「ローリングサンダー」の一行だ。戦没者追悼記念日(メモリアルデー)に合わせ、30年以上にわたって実施されてきた。今年も、革ジャンにサングラスといったスタイルで数十万人のライダーが全米から首都に集まった。

 だが、この首都の大行進も今年で終了する予定だという。主催者によると、年々、警察などに支払う運営費用が上昇する一方、国防総省からの協力が十分に得られなくなってきた。イベントを支えてきたベトナム戦争帰還兵の高齢化も進み、バイクでの長距離移動が困難なメンバーも増えているという。来年以降は、全米各地で分散して実施するなど、別の形で行われるという。

 これについて、地元の人から「(感謝祭やクリスマスなど)宗教的な祝日の一つがカレンダーからなくなるようなもの」(ワシントン・ポスト紙投書欄)などと惜しまれている。

 一方で、交通規制や騒音への苦情も一部で上がっていたと聞く。しかし、それでもこれだけ大掛かりなイベントが長年続いてきたのは、自由を守るために尽くした人を大切にする文化が根付くこの国ならではである。

(Y)

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sekai_no_1 at 15:25│Comments(0)アメリカ・中南米 

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