2020年02月07日

象とはいえ増ならず

タイから

 象はタイのシンボルとして人々に愛されている。バンコクの骨董(こっとう)屋をのぞくと、象画だけでなく木彫りの象や焼き物の象も目立つ。これらのいずれもが、芸術の域にまで達した完成度が高いものも少なくない。絵にしても彫刻にしても、国によって得意とする動物の対象が異なる。インドだと猿、中央アジア諸国なら馬だ。

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 なお、タイ人の信仰の対象にまで上り詰めた象ながら、近年はその生息数が激減している。森林伐採などで生息域が減り続け、1世紀前に比べ国内の生息数は今や20分の1近くにまで激減している。20世紀初頭に約10万頭が生息したとされるタイの象は現在、飼育象約3500頭、野生象約2000頭の計約5500頭にまで落ち込んでいるというのだ。さらに毎年5〜10%ずつ減り続けているとの推計もあり、明るい未来を展望できないでいる。

 タイでは、大規模伐採でかつて70%を占めた森林が25%程度にまで減少。開発の波にさらされ狭くなるばかりの生息域は「周囲を村に囲まれた島」のようでもある。狭い生息域では食料が不足がちになり、飢えて食料を求めに村に現れた象は人間に殺されてしまう。閉鎖空間に近い生活環境では、近親交配も起きやすい。その結果、劣性遺伝が増幅され、生命力に劣る象が誕生しがちという懸念もある。

 象とはいえ増にならない苦渋の道は、いずれ人間にも跳ね返ってくる。

(T)

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sekai_no_1 at 13:42│Comments(0)アジア 

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