2021年04月02日

接種でも「割り込み」横行

フィリピンから

 ようやく新型コロナウイルス用のワクチン接種が開始されたフィリピンだが、優先順位を無視して接種を受ける人々が相次ぎ、波紋を呼んでいる。

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 政府のガイドラインでは最前線の医療従事者から接種を開始する手筈(てはず)だったが、地方の首長たちが真っ先に接種を受けるケースが多発。政府から説明を求められた首長の1人は、ワクチンの安全性を示し接種を促すために受けたと弁明した。

 確かにフィリピンではデング熱ワクチンで死者が出てから、あらゆるワクチンへの不信感が高まり、接種率の低下が問題化していた。そのため人々の不安を払拭(ふっしょく)するため接種を受けたというのは理にかなっているようにも聞こえるが、単に立場を利用したという疑いは免れない。ほかにも男性俳優が高血圧の持病を理由に接種を受けたケースも浮上。まったくガイドラインが機能していない実態が浮き彫りになった。

 しかし、何を隠そう最初にワクチン接種で約束事を破ったのは大統領府だ。まだ当時は未承認で密輸扱いのワクチンを昨年の段階で大統領警護隊に接種していたことを悪びれることもなく明らかにしていた。

 これに関しては国民からの反発もそれほどではなく、その後どうなったのかはほとんど話題にならない。どこの途上国も同じだと思うが「権力=特別待遇」という風潮はこの国でも根強く、庶民は自分たちが一番後回しになるのをすでに悟っているのかもしれない。

(F)

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sekai_no_1 at 09:58│Comments(0)アジア 

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