2021年04月30日

初代教会の雰囲気残すコプト地区

エジプトから

 カイロ中心部とマーディ地区の中間にあるコプト地区に行くと、キリスト教初代教会の一つ、コプト教の教会や博物館などがある。


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 コプト教会は、キリストの弟子マルコがエジプトのアレクサンドリアで伝道したのが始まりとされ、初代教会の雰囲気を今に伝える貴重な教会だ。かつてエジプト全土に広まったが、7世紀以降はイスラム教に武力的にも経済的にも追い込まれ、改宗と迫害の歴史は悲惨だったという。

 そんな環境の中で、コプト教の信仰と文化を伝える貴重な博物館が、カイロにある最も古いコプト教の教会、ムアラッカ教会の近くに建てられている。

 博物館には、コプト教徒によって作られたイコンやフレスコ画、彫刻、壺(つぼ)、コプト織、ステンドグラス、モザイクや石造、木細工などが陳列されており、中でも特に目を引いたのは聖書が語り継ぐ最初の人間アダムとエバの堕落前と堕落後が描かれた大きな絵だ。

 教会名の「ムアラッカ」は吊(つる)されたの意味で、英語でハンギング・チャーチと呼ばれている。床がローマ時代に造られたバビロン城の一部で、その上に立てられたため「吊された」教会と名付けられた。

 中に入ると、教会内は暗くて派手さはない。歌われる聖歌もはっきりしない旋律、音階が続き、どこか悲哀と嘆きが感じられる。この教会の地下は洞窟になっており、信徒は時に隠れて礼拝をしたとされる。無数の古く貴重で巨大な建造物が多いエジプトの中で趣の違うコプト教建造物の一群が、イスラム教以前の雰囲気を残しているのだ。

(S)

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sekai_no_1 at 10:33│Comments(0)中東・北アフリカ 

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