2021年05月25日

気になるお札の顔

韓国から

 江戸末期に生まれ、明治維新後の経済発展に多大な功績を残した渋沢栄一の肖像画が再来年新たに発行される1万円札に用いられる。NHK大河ドラマで主人公になっていることもあり、日本ではちょっとした「渋沢ブーム」が起きているようだ。

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 ただ、かつて韓国では渋沢に抵抗感を抱いた人もいて、今も複雑な心境のようだ。日本統治の一時期に朝鮮半島で発行された紙幣に肖像画として登場、以来、否定的イメージが先行したという。

 その韓国で一番大きな単位のお札である5万ウォン(約4800円)紙幣には16世紀、朝鮮王朝時代中期の女流書画家で、現在は良妻賢母の鑑とされる申師任堂の肖像画が用いられている。良妻賢母のイメージは実は統治期に日本がつくり上げたという説があり、朴正熙政権当時、国威発揚のため歴史上の偉人を発掘する際に選ばれた一人と言われる。

 発行から10年以上が過ぎ、すっかり国民の間に定着したはずだが、時々タクシーの運賃支払いで5万ウォン札を出すと「つり銭がないのに」と嫌がられることもある。

 そして北朝鮮で最大の高額紙幣と言えば5000ウォン(韓国ウォンより通貨価値は低い)。こちらも10年ほど前に新札が出たが、描かれている肖像画は毎回、金日成主席だ。金主席と言えば抗日運動の英雄という捏造されたイメージが住民に刷り込まれてきた。

 お札の顔はその国の誇りだが、ワケアリな隣国同士の歴史も隠されている。

(U)

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sekai_no_1 at 13:36│Comments(0)韓国・北朝鮮 

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