2021年05月27日

17年に1度の騒がしい「事件」

米国から

 毎年、夏が近づくと、近所の木の幹には蝉(せみ)の抜け殻を見掛ける。しかし、今年は例年と違い、尋常でない数だ。茂みの中や電灯の柱などにも何十もの抜け殻がへばりついているほか、歩道にも足の踏み場に困るほど散らばっている。

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 これらは、米国の東部全域で17年サイクルで大量発生する「周期蝉」だ。17年のほか13年周期の蝉もおり、共に素数年であるため、自然界の神秘を感じさせることで知られる。

 17年地中で過ごした周期蝉が今月に入って、一斉に地上に姿を現し始めた。歩道や木の幹には、蝉の成虫がよろよろと歩く様子を見ることができる。成虫は地上に2〜4週間暮らすが、6月にかけて数兆匹に達する可能性も指摘される。

 周期蝉が一斉に鳴き始めると、ジェット機の騒音をもかき消す大きさになるという。南部ジョージア州では、一部地域ですでに大騒音となっており、蝉の鳴き声を警報と勘違いして緊急通報番号である911への電話が相次いだ。

 こうした状況で、日本のように夏の風情をかき立てるといった感覚にはなりようがない。むしろ、この大量発生を機に食べる対象として注目が高まっている。

 網焼きやソテーなど蝉を使ったさまざまな料理が提供されるイベントが開催されるほか、新聞などのメディアでは、珍味として蝉の調理法が紹介されている。メリーランド州の菓子店は、チョコレートに浸した蝉を販売している。

 17年に1度の大量発生は、米国人にとっても一種の「事件」であることを感じさせられる。

(Y)

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sekai_no_1 at 11:06│Comments(0)アメリカ・中南米 

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